販促 グッズの新法則が明らかに!
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「ゾウは脳も大きいから、記憶力もいいのではないか」と考えた研究者もいました。
しかし、その考えを否定するような報告があります。
脳の大きさと記憶力が比例するとしたら、「記憶力保持者」は平均以上の大きさの脳をもっているはずです。
人間の脳の重さの平均は、成人男性で一三〇〇~一五〇〇グラム、成人女性で一二〇〇~一四〇〇グラムといわれています。
では、過去に偉業を成し遂げた人たちの脳はどうだったのでしょうか。
以前、「脳の大きさと能力の関係」について、関心が高まったことがありました。
科学者たちは、もっとも明断な脳は、大きさや重さも最大であるということを証明しようとしたのです。
実際に偉人たちの死後、脳の重さをはかってみたところ、結果は次のようなものでした。
まず、「相対性理論」で知られる物理学者アインシュタインは1二三〇グラム、詩人のウォル・ホイットマンは一二八二グラム、作家のアナール・フランスは一〇一七グラムしかありませんでした。
一方、日本でも、東京大学医学部には著名人の脳が保存されていますが、夏目軟石の脳は一四二五グラムでした。
どの偉人の脳も、意外にも平均値と大差がないどころか、平均以下の重さしかない脳もあります。
少なくとも、脳の大きさによって、頭のよし悪Lや記憶力の優劣を区別することはできないということがわかったのです。
「特殊な才能・能力は遺伝する」はウソです遺伝子は、さまざまな情報を親から子へと伝えます。
髪や肌、目の色や血液型、体型や体質も、遺伝の要素が強いといわれています。
また、近視が遺伝したり、血友病や赤緑色盲など、遺伝性の病気というものもあります。
では、記憶は遺伝するのでしょうか。
もしも、記憶が遺伝するとしたら、親の記憶が自分の脳にも存在するということになります。
実際に行ったことのない場所の記憶や、会ったことのない人の記憶が脳の中にあったら、なんだか不気味な気がします。
小説のテーマとしてはおもしろいかもしれませんが、実際にはそんなことはありえません。
食べ物の好みが親と同じだったり、結婚相手が親に似ていたりすると、「こんなところまで遺伝するのか」と思いがちですが、これは好みの記憶が遺伝しているのではな-、生後の生活環境が影響しているからです。
記憶は自分で蓄えていくしかありません。
両親が若いころに勉強した記憶がそっくり遺伝してくれれば、どんなに便利かと思いますが、そんなことは絶対にありえないのです。
ただ、「古い脳」といわれる大脳辺縁系が司る「本能」は、「原始の記憶」ともいわれ、遺伝する記憶といえるかもしれません。
しかし、経験や学習、五感などから得た情報を記憶とするならば、記憶はもちろん遺伝しません。
では、頭のよさというのは遺伝するのでしょうか。
政界や芸能界を見てみると、いわゆる二世といわれる人たちが活躍しています。
また、医学界も二世が多い業界の一つといわれています。
かくいう私の父親も内科医なのですが、医者の息子だから医者になれるのかといえば、そういうものではありません。
親と同じ職業に就く人というのは、能力や感性が遺伝するというよりも、環境の影響が大きいように思います。
親が政治家や芸能人の場合、テレビや新聞などのメディアを通じて親の仕事ぶりを見ることができます。
また、医者も開業医であれば、子どもは医者の仕事というものを身近で感じ取ることができるわけです。
そこではじめて、「自分も父のような仕事をしてみたい」という動機が芽生えてきます。
しかし、その後は本人の努力がなければ、その職業に就くことはむずかしいでしょう。
政治家の遺伝子や医者の遺伝子などというものは、科学的には存在しないということです。
知的能力に、遺伝的要素は四〇~五〇%というのが定説です。
ただ、音楽や絵画など、芸術的な才能に関しては、遺伝的要素が強いとする説があります。
音楽家の家系では、天才的な音楽家が育つケースがしばしばあるからです。
しかし、同じ音楽家の家庭に生まれた兄弟でも、そろって音楽家として成功するケースはまれで、必ずしも才能が遺伝するとは言い切れません。
音楽にあふれた環境では、素質を伸ばしやすいというのもあるでしょうし、この素質自体は遺伝というよりも、もって生まれた個人差であることが多いのです。
さて、ここまでは、「記憶」とはどんなものなのかについておおまかに説明してきましたが、「短期記憶」と「近時記憶」の違いや「ワーキングメモリー」についての説明を、正確に〝記憶″している人は少ないのではないでしょうか。
「だいたいの意味は覚えているが、正確に説明するとなると何て書いてあったかな」そう思っている人は、心配しないでください。
さきほども書きましたが、情報は理解してこそ記憶されるのです。
次の章からは、「記憶のメカニズム」をしっかり理解して〟記憶″していただけるよう、くわしく解説していきましょう。
私たちの脳の中には、無数の「脳神経細胞」があります。
それらが複雑なネットワークをつくりあげて、情報を伝え合い、身体を動かしたり、ものを考えたりしています。
今、文字を読んだり、考えたりしているときも、あなたの脳の中では無数の脳神経細胞が情報交換しているのです。
たくさんの脳神経細胞がネットワークをつくるわけですから、脳の構造や機能は非常に複雑だということがわかります。
したがって、現在でも、脳のすべてが明らかになっているわけではありません。
しかし、神経細胞の存在が知られるようになってから、脳科学の研究はずいぶんと進歩しました。
「もの忘れ」するとき、しなくなるときそもそも、脳の研究がはじめて行なわれたのは、ギリシャ・ローマ時代のことです。
当時は、動物の脳を解剖して研究されていました。
その後、一六世紀になってはじめてヒトの脳が解剖されましたが、今のような顕微鏡もない時代のことです。
「細胞」が肉眼で見えるはずもありません。
神経細胞の存在が知られるようになったのは、一九世紀の半ばになってからです。
また、脳は部分部分で機能が違うことがわかってきたのもこのころです。
そして二〇世紀になり、神経細胞は「神経伝達物質」という化学物質を放出して情報を伝え合っていることがわかりました。
神経伝達物質には多-の種類があり、また情報の伝達にはさまざまなホルモンが関係していることもわかっています。
これらの種類や働きがすべて明らかになれば、将来、私たちの心や身体を動かすメカニズムの根本が解明されることでしょう。
そうなれば、脳にまつわるさまざまな病気の治療薬や、人間の脳に限りなく近い人工知能も開発されるかもしれません。
脳の病気の治療薬では、ある種の神経伝達物質を使った抗てんかん薬や抗痴呆薬がすでに臨床の場で使われています。
そして、いつの日か、人はもの忘れを嘆くこともなく、記憶を自由自在にコントロールできる日がくるかもしれません。
さて、ここからは脳の構造やしくみの解説に入ります。
非常に複雑なメカニズムを理解するために、あなたの神経細胞のネットワークは、きっとフル活動してくれるでしょう。
どうか「好奇心」を持って読み進めてください。
脳は心臓や肝臓などと同じ、臓器の一つです。
しかし、その構造はほかの臓器ほど単純ではありません。
そこで、脳の構造を外側と内側に分けて、解説していきましょう。
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